知識を扱える現代のリーダーとは。アイデアと人脈、専門知識を活かして仕事をする人

知識を扱える現代のリーダーとは


いままでと同じものを効率よく作ることが競争優位であった過去から、他社の新製品にあっという間に出し抜かれるようになった現代に対応するように、そこで生み出されたのが「イノベーション」と「ブランディング」という二つの戦略でした。

例えば、イノベーションによって初めてパソコンを作った企業は大儲けすることができました。電子レンジ、食洗機、携帯電話…様々な技術を先取することが儲けるための条件に変わっています。

そのイノベーションを担うのが、ピーター・ドラッカー言う「知識労働者」です。知識労働者は、自らの知識によって社会や企業に貢献し、イノベーションの担い手となります。
また、多くの経営者がイノベーションのためには、「自前主義、階層化、標準化は過去のものであり、オープン、フラット、そして、多様性が重要だ。」と言っています。


知的労働者のためにオープン、フラット、そして多様性が重要?


ではなぜ、オープン、フラット、そして多様性が重要なのでしょうか。

知識労働者は、「自分の知識を利用してくれる組織があって、初めて成果をあげることができる。」と、ピーター・ドラッカーは述べています。つまり、自分の知識を利用してもらわなければ成果を上げられない、ということです。

ここで「知識を利用してもらう」と述べたのは、高度化に専門家した技術には、他者とのコラボレーションが必ず必要になるからです。

カーネギー・メロン大学のボブ・ケリーは、「花型研究者(スター)」と「平均的研究者」の違いに着目し、何が違いを生み出すのかを統計的に研究しました。
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平均的な研究者は世界を自分の観点からしか見ようとせず、ずっと同じ観点で考えてしまう。一方スターはというと、広範囲な立場の人々を自身のネットワークに含めており、自分以外にも顧客やライバル、マネジャーの視点から物事を考えることができる。
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つまり、イノベーションには人とのつながりが必須となり、見知らぬ他者とコラボレーションすることで、イノベーションの「生産性」が上がるのです。イノベーションの生産性を向上させるためには多様な人々との付き合いが重要であることを、有能な人々は皆、知っています。

イノベーションのためのつながり


特に大企業に勤めていると、社内ばかりの人間関係に意識が向きがちになります。
しかし、ハーバード大のニコラス・A・クリスタキスは著書の中で、次のように述べています。
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私たちは「弱い絆」によって、友人の友人やあまり知らない人とつながっている。だが、こうした絆であっても 途方も無い価値を持つことがある。 私達を全く知らない人とつなげてくれるのだ。
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「アイデアは既存の要素の新しい組み合わせ」という言葉があるように、知識は全く新しい別種の知識と出会うことで、新しいアイデアに変化する可能性が高くなります。

言い換えれば、情報化社会になったことで知識の地平線はあまりにも広大になり、一人が到達できる知識は全体に占める割合は僅かなものであり、卓越したことを成し遂げようとすれば必ず他社と協業が必要となります。つまり、異なる業界や専門、考え方の人々と協業する必要があります。

また、ピーター・ドラッカーは「得意なことに集中するのが、知識労働にとって重要」と述べ、専門家同士の連携を説いています。さらに、「知識」の特性上、知識を有する人物は、異なる業界や考え方の人々との関係が多ければ多いほど、知識能力が強化され側面があります。

得意なことを知ってもらうために


専門家同士の連携のために必要な能力で最も必要なのが「コミュニケーション能力」です。コミュニケーション能力がなければ、知識を十分に生かすことができません。つまり、知的な職業においては、知的能力✕コミュニケーション能力で成果(イノベーション)が決まるといって良いでしょう。

コミュニケーション能力は、ただ単に専門知識を学ぶだけでは伸ばすことができない能力であり、学校で体系的に学ぶことはできません。その能力は、他者と協業する中で失敗を繰り返しながら実践的に学ぶしかありません。

あるプロの漫画家のコメントを最後に記します。
「積極的な選択をすると、失敗したときのダメージは大きい。でも、その分だけ大きなものが得られる。しまったという痛い思いから、たくさんのことが学べる。」