知識を扱える現代のリーダーとは

知識を扱える現代のリーダーとは

「i-modeの猛獣使い」の榎さんの本によれば、成功の最大要因は「運」であるが、成功のためには以下のアクションを徹底的にやり尽くしたことが述べられています。
①「人との出会い」
②「部下にすがりつく」
③「部下が悲しまないように仕事をする」

これらはまさに「知識を扱うリーダー」の考え方です。成し遂げなければならないことを定め、それに対するアイデアや技術を持つ人(各分野のプロフェッショナル)をまとめ、成果に結びつけできるのは、「知識」を扱うことの本質を知っている現代のリーダーです。

そして、このリーダーがいるからこそ各プロフェッショナルが「野心的な目標を立て、それを達成すべく動いていく」ことができます。

多くの経営者や管理職からは「部下は言ったことしかしない」「目標達成にチャレンジしない」等を多く聞くことができますが、そもそも部下がチャレンジすると損をする(成果がなければ評価が下がるなど)と考えていては、何も始まりません。

また、「やりそうなこと、できそうなこと」を単にやったとしても、大きな成果につながりません。上司にとって、「やりそうなこと、できそうなこと」をやらせた方が、成果の見通しが付きやすいため、リスクヘッジできると考えているのなら、ただ単にそれは保身を図っているだけです。

「知識」を扱うリーダーは、あくまでも仕事の主役は部下であり、リーダーは「補佐」に徹するべきです。なぜリーダーは「補佐」に徹することができないのか。それは「知識」を扱うリーダーはどのようなものか学んだり、接したりすることも原因であると考えられます。

「知識」を扱うリーダーと「権威」によるリーダーの違いは以下になります。
①ビジョン>権威
②メンバーの意見>自分の意見
③異なる意見は歓迎>意見が揃うことを重視
④行動をしながら変更していくことを重視>緻密すぎる計画を重視
⑤実績を重視>権威や肩書を重視
⑥ルールを破れ>ルールに従え

このように「知識」を扱うリーダーは、従来のリーダー像とは全く違うものになっています。それは、もはや極めて洗練された知識の領域においては、上司や経営者は適切な目標が設定することができなくなっているからです。

もちろん、会社の方向性、存在意義、理念は専売特許ですが、目標(ビジョン)という具体的な領域においてはすでに無力となりつつあります。それを導くことがプロフェッショナルの責任領域であり、彼らが成しえることについては、任せるしかありません。

ただし、「知識」扱うリーダーは全方位能力が必要です。ファイナンスはもちろん、あらゆる調達、物流、人事、生産管理といったボトムラインから、マーケ施策、営業施策といったトップライン領域までの一気通貫で青図を描く必要があります。それを実行するためのマネジメント力、人間力、交渉力が求められます。さらに「知識」が必ず世の中の役に立つというぶれない信念を持つことも必要です。

また、洗練された「知識」を有する人は、その知識を利用してくれる組織は必要ですが、決まった上司を持つ必要はありません。これらことを肝に銘じて、「知識」を扱うリーダーのあるべき姿が描かれたこの本はぜひお勧めしたい本です。