デザイン=ブランディング

デザイン=ブランディング

企業の中でよく混同されているのが、マーケティング、プロモーション、ブランディングです。マーケティングとは、そもそも不特定多数の市場で同じ購買特性を持った母集団の輪郭を見つけ出すことです。プロモーションは、むしろプロダクトサイクルのアーリーステージに位置しプロダクトが強く、売り手市場の場合は、どのように売っていくかを考えることになります。

最初は認知させるためにプロモーションし、その後競合製品が出てくると、消費者起点で考えていくことがマーケティングになります。つまり商品軸からお客様軸で考えを変化させていくことです。

次にブランディングですが、ブランドは短期的なROI(費用対効果)を求めるものではないし、そもそも既存のシステム中でブランド化を試みて、新しいものをつくるときの測るものさしが違います。

本当にブランド化を図りたいのであれば、価値のある製品をつくり、販管費の中に恒常的に広告費を入れる欧米企業のように、持続的に顧客とコミュニケーションをとっていく必要があります。その結果、付加価値の印として市場に好感度を持たせ、ビジネスを有利にすすめることができます。5年後にはブランディングしている企業としていない企業では大きな差が出るでしょう。ただし、表面的に流行っているものをコピーし、価値もないのに名前だけのブランドを繕うことは、結果的に価格競争に陥ります。

また、日本企業ではそれだけお金をかけるのなら、いくら儲かるのか、もしくはある特定の製品をブーストさせるためだけにお金を使おうとします。決してブランド化に短期的なROIを求めてはいけません。

ブランドために必要なのは、無難な製品ができないように既存組織のルールに縛られないようにすることがまず必要です。そのために決済権限を持った社長直下に小さな組織をつくり、そこに有能な人材を投入して、失敗しても責めて組織を解散することがないよう、社長との意思共有とキャッシュフローの2軸で挑戦回数を定めながら、価値ある製品をつくっていくことがブランド化の始まりです。

そこから創造される製品のちから(デザイン、コンセプト、テクノロジー)が強ければ強いほど、その小さな組織は強く影響を受け始めます。その影響は組織理念につくり出し、また組織だけではなく、市場にも強い影響を与えます。それが「美しいデザイン」の効果です。それらが企業ブランドに繋がっていきます。

つまりブランド化とは、組織設計(出島による小さな組織)、権限移譲(エンパワーメント)といった組織改革そのものであり、美しいデザインをつくり出す過程で組織理念(美学、DNA、サービス及びデザインルール等)を定義していくことで生まれるものです。すなわちブランドはつくり出すのではなく、顕在化するといった方が近いでしょう。