中小企業がデジタル技術を使うためのステップ

ここ数年、IoT、ディープラーニング、AI、画像認識、UX、DXなど様々なデジタルツールが出ては消え、を繰り返しています。

そのいずれも業績不振の企業を救ったという話はほとんど聞きません。なぜ、多くの企業はこれら奇妙なものにすがり、いつしかお客さんを見ようとしなくなっているのか、不思議でありません。

もちろん、バリューチェーンやオペレーションの最適化し、デジタル化の阻害要因を取り除き、デジタル化を進めて行くことは市場で生き残るための必要条件ですが、十分条件ではありません。

特に中小企業では、そもそもデジタル化のハードルが高く、既存事業でそこそこ現状維持できているのだから、あえて投資する必要がないと考える経営者も多くいます。

また、デジタル化しようと考えた時に、会社の業務全般を理解して、全体最適の視点を持つ方が社内にいないということがあります。

とにかく話だけでも聞いてみようと相談しても、よくわからないことばで「まずはDXジャニーをつくりましょう(デジタル化の設計図)」と言われポカンとしている経営者も多くいます。

そこで私たちがお勧めしているのができるだけ費用を抑えながら、分かる範囲でまずはデジタル化を進めることです。

まずはクラウドで利用できものを使う

昔と違い、今はクラウドで安価で非常に使い勝手のいいシステム(皆で使えるから安い)などがあるので、使われている中小企業の方も多いと思います。

例えば名刺管理、ビジネスミーティング、会計、業務指示などの分かりやすいものから、集客(MA)、営業管理(SFA)、受発注、契約管理、業績管理(BI)などがあります。

業務の中で当てはまるものと対象業務に導入すべきデジタルツールを考えてみてください。

ここでの注意点は、自社の経営課題に応じたデジタルツールの選択が必要なことです。つまり、「何をやるかではなく何からやるか」をしっかり考えましょうということです。

この先に進むときの課題は、それぞれがバラバラに導入するため、システムやデータが連携してないというケースが結構あります。

本来は、データやシステムをつなぐことで、一元管理して、リアルタイムに状況がわかるようなそういう状況が理想です。それがバラバラになってしまって、うまく連携できてないということが実際には起こっています。

世の中には沢山のデジタルツールがあり、新しいものどんどん出てきています。

これを自社に合ったものを選ぶというのは非常に難しいので、ベンダー以外からのアドバイスもらうことをお勧めします。

ベンダー以外と言っている理由は以下のブログをご覧ください。

https://masajimu.jp/2020/06/13/営業力・販売力の強化やデジタル化の前に考える/

デジタル化の目的は明確に

デジタル化というのはあくまで手段であって目的ではありません。目的が曖昧なまま進めていくと、だいたい余計に仕事が増えたと言って社内の不満になります。

デジタル化(特にDX)の目的はビジネスモデルの変革だということはあるのですが、まずは生産性(特に時間)を上げていくことを目的として設定してください。

時間は最も大切なものであり、生産性とは目標にいかに効率的に達成するかの指標です。

よく揶揄される「木こりのジレンマ」というはなしがあります。

それは、刃こぼれした斧で木こりが懸命に木を切り続けていますが、頑張っているわりに成果が出ない状態です。ちょっと手を止めて考えて、刃を研いだり、チェーンソーを導入するだけで劇的に生産性が上がるのに「忙しくってそんな暇はない」と思い込んでしまって優先順位が歪んだり、「ずっとこれでやってきた」と慣習に囚われたりする。このような事例が中小企業にはたくさんあります。

デジタル化にすることによって、いかに少ない労働時間で最大の粗利を稼ぐかということが大切です。

生産性の数値の改善をデジタルを使って、リアルタイムの経営すること、今の経営状況がスマホで一目でわかるというような状態が理想です。

そうすれば、勘や経験ではなくて、数値データに基づいて経営判断を行っていくというようなことができるということが、今後のビジネスモデルにおいては大事なことです。

デジタル化の目的をまず生産性に絞る理由

同じビジネスをしているのに、他社の方が圧倒的に利益率が高いことが結構あります。もちろん市場における占有率だったり、営業人数の違いなど様々な理由が挙げられます。

仮にそうだったとしても、オペレーションの速度を上げることで何度もトライアンドエラーを繰り返し、競争力を上げていくことが可能です。それにより考える時間が増え、市場の中で変化し続けることができます。

これまではお客さんが手に取りやすい価格に抑え、製造者は均質な商品を安く作る技術に美学を持ち、お客さんも「良いもの」として受け入れてきました。

しかし、今後は「本当にそれでいいのか?」「どうすれば自分の技術をもっと高く売っていけるのか?」と、知恵を絞らなくてはなりません。

変化する社会の新しいニーズを掘り起こし、それに応え得る独自性のある製品やサービスを生み出すことが求められます。そのための布石としてデジタル化を進めてください。