新規事業のコンサルティングの相談を受ける時に、「他のコンサル会社と何が違うんですか」という質問を受けることがあります。その違いについて説明します。
だいたいどのコンサルも始めは以下のようなことを言います。
強みを明確にして、差別化しよう!
他の同業者と何が違うのか、つまり自分たちは何が得意なのかを明確にしましょう。
これは経営者の重要な仕事のひとつです。なぜなら、他と同じなら安いですよしか言えなくなるからです。
良くある間違いは、「うちは品質が良いです」と言う経営者です。でも他の同業者も同じことをだいたい言っています。
なので、自分たちが強みだと思っているものが、お客さんから見て客観的にユニークなのかどうかは必ず検証しなければなりません。時には辛辣なことを言ってくれる人が必要になります。
とにかく領域を絞って、ここだけなら負けないというところをつくります。中小企業は差別化、集中化して、市場の中では局地戦で戦うしかありません。
差別化できたら広めよう!
本来であれば、ここは相当考えないといけません。よくあるホームページ作りました、そこに強みを書いていますだけでは、みんなやっています。
差別化の要因を明らかにし、お客さんの視点で、その母集団に安価にリーチする方法を考えて、その施策を果てしなく続けていく必要があります。
ここでよく見られるのが「中小企業は、プッシュ営業の仕組みをつくる」です。
そもそも商品やサービス自体が弱いのでプッシュ営業せざる得ないので、コンサルを使ってその仕組みをつくってしまうケースです。
もちろん業種にもよりますが、プッシュ営業は基本ウザがられるでしょう。なぜなら、モノが売れない、サービスが売れない時代は、数多くの情報の中から、良いものを自ら選ぶことが重要になっているからです。押し売りすればするほど、お客さんはサッと身を引きます。
このような中では、認知を知れ渡らせて、お客さんから選ばれる存在にならなければいけません。
お客さん側にニーズがあれば、そのニーズに合った製品・サービスを探します。その中から、どれがよいか調べます。その中にまず入らないといけません。
他社とのコンサルティングの違い
ここでは分かりやすく事例を挙げます。
このクライアントは、ある富裕層向け製品・サービスを販売していましたが、製品・サービス開発にお金が掛りすぎて、富裕層にリーチするためのWEBマーケティング費用の捻出や広告媒体に乗せられないとの相談がありました。経営者は知ってもらえれば必ず売れるとの確信を持っていました。
我々からみても製品・サービスにユニークさがあり、それが差別化につながっていると思いました。
相談を受けていると、経営者仲間にペットフードの通販をしている方がいらっしゃいました。このはなしを聞いたときにある仮説をひらめきました。
それは「こだわりのペットフードを買っている家は富裕層が多い」というものです。もちろん仮説を証明するためにマーケット調査をして多少のエリアの絞り込みや価格の調整などは行いました。
そして、ペットフードに折り込みチラシに入れてもらい、そこから注文を受けていくことができました。
ターゲットにリーチするためには、何が一番良いのかを深く考えること。できるだけ安価にキーワード(強み)を流通させる方法はないか、を考えて継続的にやり続けることが重要です。
このように我々の強みは、「お金がなければとにかく頭を使って、そして行動する」ことです。当時は、ペットフードと一緒に宣伝するなんて誰も考えていませんでした。しかし、ターゲットには確実にリーチすることができています。
次に、ユニークであることにこだわり、キーワードを絞り込めば、メディアを使ってマーケットアウトしていきます。
その時に分かりやすい差別化できるキーワードを選びます。3つ以上はNG、できればひとつを選びます。
中小企業でもユニークな取り組みをして、継続的にメディアに取り上げられている企業があります。まずはこれを目指すべきです。
製品・サービスの違い(差別化)をキーワードで伝え、それを潜在的なお客さんの母集団にリーチしていきます。
近年では、個人でも、デジタル技術を活用し、「今までにない発想」を生かしたモノ・コトづくりを行い、YouTubeやInstagramなどのプラットフォームを使って、マーケティングを行いながら物販、あるいはサービスを提供することができます。
お金も「クラウドファンディング」を使えば、億単位の金も集まるし、オペレーションもデジタルにより低コスト化できます。例えば、決済もアマゾンペイや楽天ペイを活用すれば、極めて低コストで個人ができてしまいます。
「今までにないモノやコト」のために知恵を絞り、継続的に、何度もトライ&エラーをやって、粘り強く儲けていくことが他のコンサルとの違いになります。