令和の虎チャンネル第751回の違和感

志願者の氏神一番さんは、カブキロックスという有名バンドで活躍された方で、その独自な風貌でTVなどでも活躍されているミュージシャン。

コロナの影響をもろに受けた周りの業界人を救うため、この番組の主題歌と社長たちのための楽曲を創らせてほしいと志願。

しかし、竹之内社長から「投資に見合った楽曲(必ず満足させるもの)を提供できるというのはエゴではないか。だから良いものができるとは思えない」「周りの人たちを助けたいと言いながらも、エゴで曲をつくっても、本当に助かる人はいないのではないか」と指摘される。

それに対して、「金金というけど、こっちは金で生きていないので頭にきた。お金だけが全ての解決策ではない」と反論して喰らい付く。

その背景には、音楽は周りの人をハッピーにするという熱い信念が見受けられる。それが熱いかたちで出てしまったので、そこが番組としては切り取られやすく賛否両論の部分となった。

そして、このわだかまりが残ったまま、希望金額480万円を獲得、、、。

令和の虎チャンネル第751回の違和感

この違和感って、ビジネスでお金を稼ぐ社長と自分の創りたいものでお金を稼ぐ芸術家の差なんだろうと思う。

ビジネスって結局のところお客さんから求められなければ成り立たないのに対して、芸術家は自分の創りたいもの、つまり心の中にある表現したいものを創造すること。

それは他の人に評価されるかされないかではなく、自分が評価するもので成り立つ。だから売れない芸術家も沢山いる。もちろん、芸術家の中にも、社会の中で生まれる欲求や時代背景をうまく感じ取り作品に昇華させる人もいるし、このような感覚をもったビジネスマンも沢山いる。

有名なのがスティーブジョブス、イーロンマスク、ジェフベゾスだろう。彼らは自分が欲しいものは必ず受け入れられると信じて、投資家からお金を集め商品をつくり世の中の仕組みを大きく変えていった。

とはいえ、天才か大馬鹿野郎かは紙一重だし、実際スティーブジョブスなんて現実湾曲空間と揶揄されて、サイコ野郎なんて言われていた。

ことばで伝えることの大切さ

はなしを戻すと、志願者の氏神一番さんは音楽業界で実績もあり、有名な方。むしろ楽曲をつくってほしいとお願いされる先生的なポジション。年齢も62歳だが、若手経営者にも頭を下げて誠実な人柄がよく伝わる。

一方で、竹之内社長以下の世代からみれば、誰なの?っていうぐらいそんなに知名度はないと思う。そりゃB’zの松本さんが曲つくってくれるのならすぐにでも満場一致でお金を出すだろう。

一世を風靡したバンドでも、知らない人にお金は渡せないっていうのが根本的な部分であったと思う。だから、志願者の立場として説得しなければならなかったはずなのに、そこをすっ飛ばして「なんでも好きなものをつくってみせます」と言われても、納得できないのはあたり前。プレゼンのスキルが欠落していて、本当の姿が見えなかったのが残念。

僕らより上の世代の芸術家や職人、デザイナーなど、作品を通して伝える力は物凄いのに、ことばで伝えることを苦手とする人は多い。だから感情が先に立ってしまい、伝えたいことの1割も伝えられなくなる。

ますます伝えることが大切になる

伝えたいことを伝えるために大切なことは、しっかりと意見が言えることだと思う。

SNS、ブログなど伝える場所は沢山あるのに、以外と根拠のある主張をする人が少ない。言い換えれば、あるSNSやブログに”反応”することはできても、しっかりと自分の”意見”を伝えられる人はあまりいない。

自分はこう思うけど、なぜならこうだからと主張を明確した上で、相手の意見も聞き、なぜそう思うのかを考えることは一種のコミュニケーション能力。

こうれらをすっ飛ばして、上意下達でつべこべ言わずやれというのは通用しない。

同じように、議論する時に事実にもとづいているのか、ただの思い込みなのかを考えず議論する方が多い。つまり“事実”と“意見”の区別がついていない。

だから、先入観や思い込みのまま議論を始めてしまい、話があっちこっちに行って迷走する。

はなしが逸れたが、番組の違和感って、価値観の違う人同士が分かり合うというのは物凄く難しいということ。その価値観の違いを理解するために深く議論できる場であったなら、面白い番組になっていくと思う。

以上