仕事には大きく分けて「定型業務」と「非定型業務」があります。定型業務とは、作業内容に一定のパターンがあってマニュアル化、外注化が可能な仕事で、マニュアルに従っての作業や進行上の手順が一つ一つの作業ごとに決まっているものです。
もう一方の非定型業務は、経営戦略の構築や事業計画の策定、新製品の企画・開発など個人の思考力、経験が要求されるクリエイティブな仕事で、問われるのは「答えを創れたかどうか」「問題を解決できたかどうか」ということだけです。
定型業務はタスク管理で考える
作業の手順が明確な場合は、「タスク管理」が有効です。タスク管理のよくある間違いが、「忘れないように行動するため」だと思っていることです。
本来のタスク管理の目的はこの逆で「忘れてもよい」ようにするためです。忙しくなればなるほど忘れてしまうことが増える経験はないでしょうか。
人の頭は1日に何万という意思決定(例えば電話するなど)をするため、できる限りこの意思決定のエネルギー消費の割合を小さくしようと働きます。それが無意識での行動に繋がっていたり、忘れることになったりします。
そのため「忘れてもよい」ようにするために「タスク管理」するのです。もちろん、タスク管理は、作業などの手順を客観的に捉える、つまり仕事を分解・整理することで生産性が上がるメリットだけでなく、重要度や緊急度の優先順位をつけることができます。
ただし、最初からタスク管理ツールを使うことはおすすめしません。なぜならツールの使い方を覚える負荷が大きく、またツールにタスク管理が制限されてしまうからです。むしろタスク管理の手順を固めてから、それに合わせたツールを選ぶべきでしょう。
非定型業務は「答える価値のある問いかどうか」で考える
非定型業務は、経営戦略の構築や事業計画の策定、新製品の企画・開発など個人の思考力、経験が要求されるクリエイティブな仕事で、問われるのは「答えを創れたかどうか」「問題を解決できたかどうか」ということだけです。
ここで重要なことは、正しい答えを探すのではなく、正しい問いを探すことです。そもそも間違った問いに対する正しい答えを創っても、何の役に立ちません。そのためにも「答える価値のある問いかどうか」を自問自答しなければなりません。
例えば、業務日報に時間が費やして残業することが多いケースがあるとします。この場合、書式の標準化などの生産性向上の施策をすることが挙げられます。
この場合の問いは「どうすれば速く業務日報を書けるか?」に対して、「書式の標準化」が答えとなっています。
しかし、本当の価値ある問いは「どうしたら業務日報を書かないで良いか」ではないでしょうか。もし、業務日報を書く時間をその他の効果的な施策に回すことができれば生産性は劇的に向上します。その問いの答えとして、業務日報の自動化などが「価値のある問いの答え」となります。
この「答える価値のある問い」を探すことができれば、なぜやるのか、なにをやるのか、どうやってやるのか(WHY,WHAT,HOW)を論理的に考えて「タスク管理」に落とし込むことができます。