「商圏範囲」には、何故その範囲が商圏になるのか?と言う根拠が必要

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新規出店場所を決める時に、お店に来る可能性のあるお客様の数(商圏)を把握したいとのご相談。その目的は、具体的な集客に役立てたいということ。

「どこで」「どんなひと」に「どんな内容」を「なぜ」、そしてそれを「いつ」「どんな方法」で「どれくらいの量」で「いくらの予算」で行うか。

これらの根拠をつくるために「商圏範囲」の理解が必要になる。一般的に「商圏範囲」は、来店されるお客様が住んでいる場所の範囲もしくは、単純に半径1kmとかと決めているケースが多い。しかし、平面的な「商圏」の理解では、具体的な活動の役に立つことはない。なので「商圏範囲」について考えてみる。

チラシなどアナログマーケティングをする前に商圏設定を!

「商圏」は、実はとても立体的。さらに「商圏」は、そのお店のお客様、つまりターゲットによって形や大きさが変わってくる。

よく商圏設定で見かけるのが、お店の周りに住んでいる人を調査して、自宅から直接来店されるケースを想定するが、現実的にはそうでないお客様も沢山いるので、この範囲を「商圏」とするのは不正確。

大手調査会社がしているのは、「お客様がお店に来店される直前にいた場所と直後に行く場所のどちらか近い方を地図上に印をつけ、その印の内、お店から近い80%を商圏とする」という考え方。

この商圏設定だと、直前に居た場所と行く場所で告知できれば集客する可能性が高くなるし、ご自宅やお勤め先から直接来店されたお客様の範囲もわかることなる。だから、チラシの新聞折り込みやポスティングの範囲を絞り込める。

ちなみに、この商圏調査は、来店されたお客様へのアンケートにより地図上にそのポイントを書き込んでいく方法で行う。この調査は、地図を見せてドットシールを貼るだけでも、おおよその商圏範囲が分かり素早く知りたい場合に有効。

また、新規出店した後に、目的機会調査もしてさらに商圏範囲を絞り込んで告知を行うこともする。

これは、お客様に「何がキッカケでこの店を知り、もしくは思い出し、何が決め手でこの店に決めたのか?」を伺う。例えば、お客様は「以前利用したことを思い出したから」とか、「チラシを渡された」「クーポンサイトを見た」「メルマガを受け取った」などのキッカケからお店を選択した理由が分かる。

そして、「以前利用した時スタッフが感じ良かったから」「看板が目立っていたから」「クーポンが魅力的だったから」「駅の目の前にあったから」などの決め手を教えてもらう。ここまで絞り込めれば、告知活動はとても楽になる。

さらに商圏は「交通手段」と「曜日時間帯」の条件を加えると立体的になる。上記の地図上の平面データにふたつの条件を加えて、より具体的な活動の役に立つようにする。

1)交通手段・・・来店すると決めた場所からお店までの交通手段。電車、車、バス、自転車、そして徒歩のそれぞれの商圏を見てみる。
2)曜日時間帯・・・平日と日曜日では、来店されるお客様が全然違ったりする。

商圏をもっと立体的に把握する

その商圏のポテンシャルを立体的に把握するための基本要素は以下の5つ。

1)商圏の範囲
2)人口などの統計データと通行量などの測定データ
3)既存のお客様の「属性・タイプ」「来店動機」「来店目的」などのお客様アンケートデータ
4)メインターゲットの設定
5)競合店の観察データ

商圏の範囲が決まったら、今度は「統計データ」を調べる。一般的には、市役所のホームページに、各自治体の町丁目ベースでの「人口データ」がある。
ただし、この昼間人口には「買い物客」や「ウインドーショッピング客」、移動途中やブラブラしているような人の数は含まれていない。

だから、商圏(周辺ポテンシャル)を知るには、さらに「駅乗降客数」「商業施設年商」「アミューズメント入場者数」などのデータを把握する。

特に、あなたのお店に来られるお客様は、あなたのお店がある街に来ている「もうひとつの理由」があるはず。多くのお客様は、もうひとつの理由こそが、本当の理由。

よって、その「場所」「ひと」「時期」「内容」を具体的に把握すれば、あなたは、「どこで」「だれに」「いつ」「どんな方法で」「何を」アピール、アプローチすれば良いのかが分かるようになる。

だからこそ、出来る限り「百貨店」や「ヨドバシカメラ」と行った具体的な場所までは把握すること。ただし細分化しすぎると、100人が全員違う場所、目的になりかねないので注意。

駅乗降客数については、各鉄道会社のホームページにある。商業施設の年商については、入居しているテナントにしか教えてもらえないので、床面積やレジ台数、駐車台数などで推測。売上以外のデータは、ホームページを見ればざっくりとは把握することができる。

次に「通行量(道路を歩く人の数)」「交通量(車の数)」の把握する。

人の通行量については、大きなショッピングセンターでは、調査員が「数取器」を使って調査をしていることがある。テナントとして入っているお店ならば教えてもらえることがある。
車の交通量については、交通センサス調査(主要交差点の交通量調査)を国土交通省が実施し、それを公表している。

人の通行料は、「店舗前通行量(直前ポテンシャル)」も調べる必要がある。ただし、この数字は、現地で自分たちが自ら調べないと把握することは出来ない。大手調査会社は最も力を入れて計測し、より精度の高い売上予測をするため、ひたすら通行人の数を数えている。

以上のように、目的来店客の来店数は、周辺ポテンシャルが多いと増える可能性が高くなり、機会来店客の来店数は、直前ポテンシャルが多いと増える可能性が高くなる。これらの関係をよく理解して、自分たちの提供するサービスが、どちらの割合が多いのかを考える必要がある。

大手調査会社は、これらのデータを全部まとめて「推定昼間人口」という商圏ポテンシャルのデータを用いて、新規店舗物件の売上を予測している。しかしそれと同じように調査をすることは時間と労力を考えればほぼ不可能なので。

立地調査のプロが、使っているのが「5分間調査」

大手調査会社の方法は時間と労力がかかりすぎてほぼ不可能なので、ポイントになる場所について、5分間だけ、通行量や交通量を調査する。それにより、大まかな計測箇所のボリュームの違いや、男女年齢層などの属性の違いを簡易的に把握することが出来る。

また、新規案件場所と既存店場所が似ているところで30分程度調査して比較することもお勧めする。

以上、ご参考に。

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