仕組化(マニュアル化)の勘違い

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こんな相談を受けたので紹介。

ある店舗に訪れた時に、掃除されていない部分があったので、注意したのだが、毎回抜き打ちで確認すると掃除されていない。もちろんそこは見えない部分なので、スタッフからすればそこまでやらなくても思っているかもしれないし、他の業務で忙しくてそこまで目が届かないかもしれない。

経営者からすれば、些細な事こそしっかりしなければという思いがあるのは確かだが、その重要度がわからない人にはそれは伝わらない。

この場合は、言っても直らないのは、スタッフではなく経営者の責任。なぜなら、ミスした時に注意しているから。ミスをするのは当たり前、それを忘れるのも当たり前、それを本当に直したいのなら、意識の仕組化が必要になる。

例えば、注意したことを改善できているかどうか、毎日日報で報告してもらう、ミスリストをつくって、ミスがあっても無くても毎日確認する、それを続けることで、必ず確認するようになるし、毎日意識するので、チェックの癖付けができるはず。

このように、意識させるための工夫をマニュアル化していくことで、どんな問題も自然と対応できるようになる。注意しても繰り返される失敗やミスは、基本的に毎日報告させることで仕組化する。

応用すれば、スタッフに、仕事終わりに毎日3つ4つテーマを報告させるなどもできる。今日は、どういったことを意識しましたか?料金をアップセルするために、どういった工夫をしましたか?など、意識させたいテーマを仕組化していく。

仕組み(マニュアル)は人を育てない?

このように人がミスしないように仕組化すると、その結果、いちいち考えなくても良いようになり、効率はどんどん上がることになる。そこに「後の人に対し、同じ効果を発揮する」という再現性を得ることができる。

それは極論、人が考えないように仕向けているとも言え、楽になればなるほど、人への負荷は減り、何も考えないスタッフを量産することになるかも知れない。

それをどんどん進めていけば、業務効率が上がり、外注化も組み合わせると、気がつくと社内には、なぜそうしなければならないのかと考えない人だらけになるかも知れない。つまり一つの業務を仕組化すれば、スタッフから考える機会を、奪うことになり、一つのサービスを取り入れれば、スタッフが勉強する機会を奪うことになる。

しかし、実際にスタッフが「バカ」になることはない。なぜなら会社は、常に変化しているから。常に競合に勝つために、どんどんサービスを改良しなければならないし、毎年落ちる集客効率を保つために、新たな集客方法を開発しなければならないなど、会社を取り巻く環境は急激に変わっていく。 
その変化に合わせて、スピードを持って、どんどん変えていく必要がある。スタッフには、どんどん考えることが求められていき、仕組化しながら、何とか会社は、世の変化についていける。

仕組化は、必要のないコミュニケーションを減らし、スタッフだけで判断できるようになり、つまり「自己完結」できるようになる。それが仕組化の目的。そうすれば、成長サイクルが周り、そのサイクルによって会社の仕組みが良くなり、社員も育っていく。

こういった仕組化がなければ、生産性は落ち、コミュニケーションの密度も濃いものにはできない。

そもそも事業モデルが弱い

冒頭の経営者の相談にあったように、仕組化をしっかり定着するまで管理できていないケースが多いが、例えば「方針書」と「仕組み」があったとしても、そもそも事業モデルが弱いという根本的な問題があるケースが多い。

そもそも事業に特色がなければ、集客には苦労する。そうすればスタッフの大部分の労力は集客に向けられる。それは、一部の優秀なスタッフの人間力に依存することになり、一部のスタッフにしか出来なくなるクリエイティブ要素となる。
その結果、そんなクリエイティブな要素を仕組化することができず、取り組んだとしてもそれは言語化することも難しい。

このような事業モデルが弱く、仕組化できない会社は、人に頼り、おもてなしという過度なサービスをますます、するようになる。そしてスタッフはミスを繰り返し、どんどん時間は他の業務に取られていく。

特色ある強い事業モデルないから、効率の悪いコミュニケーションが増え、事業モデルと仕組みを良くするために、割り振ることができなくなる。

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