御社の存在意義は何ですか

経営コンサルティング

株式会社が誕生してから約400年経ち、社会を豊かにしてきた株式会社が岐路に立っています。若い世代を中心に、利益を過度に追い求め、株主に報いる経営姿勢にノーを突きつけ、社会への貢献や存在する意義を明確に示すよう求め始めました。

これらは従来のように利益を追求しているだけでは、未来永劫会社は存続することはできないということを表しています。

例えば、食品会社なら美味しいものをつくる、消費材メーカーであれば暮らしに役立つようなものをつくる、単にそれだけではなく、それが社会にとって意味ある活動なのか問われるようになりつつあります。なぜなら市場には同じような商品が並び、不必要なほどつくられ消費されていく現状に、消費者、社会の目が厳しくなっているからです。

このような背景の中、自ら存在意義、つまりパーパスを定義する会社が急増しています。例えばソニーは「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というパーパスを定めています。お客様だけでなく働く人にとっても、なぜ会社が存在するのか、そこにどうコミットするかが、これまで以上に重要になっています。

このパーパスですが、組織内でしっかり共有されている企業の方が、そうでない企業よりも成長性や収益性が高いというデータがあります。

パーパス
日経新聞「カイシャの未来 志を探して①」より

パーパスを明確にしない企業が生き残れないと言われる理由の一つに、若い人達の価値観があります。若い人たちは社会における自分自身の存在意義について深く考え、どのように生きるべきか模索しています。

その多くが職場選びの中で、企業理念に共感できるかどうかが、一つの選択肢となっており、彼らを惹きつけるためのパーパスを明確にしていない企業は、志が高く、優秀な人材を採用できないということになります。

また、パーパスはブランドのあり方にも現れています。例えばSK-Ⅱという高級化粧品ブランドは、水泳選手の池江璃花子競泳選手を迎えて、CMをつくっています。しかし従来の化粧品を全面に押し出したCMではなく、SK-Ⅱの商品特性にさえ全く触れられていません。

SK-Ⅱ
https://www.sk-ii.jp/rikakoikee

この動画には、運命を変えていくのは自分自身というメッセージが背後にありますが、社会の中でSK-Ⅱが存在する意義と重ねて「運命を、変えよう。#changedestiny」というキャッチコピーを掲げています。

世の中、化粧品は山のようにブランドがある中で、消費者から選ばれるためには、その存在意義が共感を得なければならない時代になっています。

単に同業他社の商品と差別化するために、その企業のイメージ、つまり世界観をつくるのではなく、これから本当に良いもの、良いサービスを提供することに加えてそれらを通していかに社会にも貢献していくのかを真摯に向き合う時代になっています。

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