デザインは「問題解決」ではなく「問題提起」が重要

経営コンサルティング

デザインという言葉は幅広く使われ、人によって様々な使われ方がされています。ロゴ、パッケージ、広告、プロダクト、情報、空間、映像だけでなく、UIやUXの品質、さらにはマーケティングやコンサルティングまでデザインが期待されるようになってきました。

特にデザイナーもビジネスモデルやサービスを読み解いた上でのデザインが必要となっています。

例えば広告一つとっても、それが何のためのなのか、自分たちのアイデンティティを表しているか、さらにはブランド単位でものづくりの方向性や販売戦略まで、全体のコミュニケーションをデザインすることを通じて、顧客からの共感を集め、それに見合った対価を創り上げていくデザイン力が求められています。

また、新しいものだけではなく、伝統の技に支えられた工芸品、昔から守り継がれてきたものや場所、そこにある価値をすくい上げることもデザインの重要な役割です。

さらに、近年注目された「デザイン思考」は、新しい問題を発見してゼロベースから人間を中心に発想することです。これは現状を分析・理解してアイデアを考え、プロトタイプを作って検証して再度、現状を分析したり考えたりする、といったデザイナーの思考法です。

つまり消費者の隠れた欲求や感情は何かを分析するツールとも言えます。

また、「美しいデザインで企業は成功する(教科書を超えた技術経営/日本経済新聞出版社)」では以下のようにデザインを定義しました。

「社会の多くの人々と共有できる問題を解決するのが美しいデザインの本質である。つまり、目に見えるだけでも、美しいだけでもダメである。社会の多くの人々と共有できる問題とは、人の本質的な欲求をきちんと反映したニーズと言ってよいだろう。だから、社会のニーズにつながる美しいデザインとは、人の本質的な欲求にきちんと答えるものである。そうした人の本質的な欲求、しかも社会の中でうまれてくる欲求をきちんと想像できるためには、人と社会について深い理解が必要になる。それが誰もがその製品を理解できるコンセプトになりうる。」

美しいデザインで企業は成功する(教科書を超えた技術経営/日本経済新聞出版社)

しかしながら、デザインは「問題解決」ではなく「問題提起」が重要だと感じています。

問題提起する力こそがデザインであり、その本質は視覚化して、新たな「問い」や「関係性」つくることでないか。社会の多くの人々と共有できる問題を解決するだけでなく、その問題の本質を視覚化できるのが美しいデザインと思います。

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