昨年末から美容鍼灸院のコンサルをスタートさせたので、調べたこと、考えたことをブログにしていきます。
まずクライアントは、恵比寿・中目黒・代官山付近がターゲットとのことでした。
開業場所は、他の要素と比べて一度決めたら変えにくい。なぜなら場所を変えるためにはお金がさらにかかるから。
場所を決める時にまず考えることは、本当に「駅近」が良い?ということ。
「駅近」は、家賃が高いし、競合も多い。先ほども不動産屋から「駅近」でサロンで使われていた安い案件が出ましたと連絡があった。でも言い換えれば、お店を畳んだということ。
実際のところ、毎月サロンがオープンして潰れているのもこの「駅近」。
やっぱり、店の広さ、家賃、集客数とのバランスが悪くなるのが原因。サロンの場合は一日に集客できる人数も限られてくる。
特にクライアントは、まずは一人で開業なので、毎月何人集客できるかによって、家賃のバンランスを考えないといけない。
良くいわれるのが、好立地よりも、駅から遠くても広さや静かさなどの顧客満足度を上げた方が、客単価も安定して、固定客がつきやすくなると。
でもクライアントは駅近徒歩5分にこだわっている模様。
感覚は大事だけど、データはないか検索してみる。
まずは、乗降客数を把握。
- 恵比寿 地下鉄11万8千人、JR14万6千人
- 中目黒 地下鉄23万人、東急19万7千人
- 代官山 東急3万1千人
なんか、感覚的には恵比寿の方が上だと思っていたがどうも違うみたい。さすがに男女比率はネットでは拾えない。なので違う見方をしてみよう。
開業する場所の決め方。場所を決める3つの条件
場所を見極めるためには、「商圏」「動線」「物件」の3つを考えることが基本。
基本事項 | 質問 | 調べること |
1.商圏(エリア) | ターゲットとするお客様がいる? | 商圏人口(住んでいる人数、働きに来る人など) 駅の活気(乗降率など) 競合数、客単価、コンセプト |
2.動線 | お店まで行きやすい? | お店の通りの人の流れや量 周辺施設との位置関係 動線に入る競合数 |
3.物件 | お店がすぐわかる? | 視認性(みえやすくできるか) 入りやすさ(エントランス) 集客方法 |
これらをひとつひとつ説明する。
商圏(エリア)
都心部でお店に来ていただける距離は、徒歩で半径500m 圏内(約6分)、自転車では2km 圏内(約10分)が目安といわれている。
この商圏でターゲットとするお客様がいるのかどうか、つまりターゲットとするお客様がその場所に住んでいるか(住宅立地)、通勤(オフィス立地)・通学(学生立地)で来るのか、遊び(商業立地)にやって来るのかを知っておく必要がある。
特に都心部では、駅の乗降客数は大きく影響する。また、この商圏の競合数や客単価、お店のコンセプト(差別化内容)なども確認しておくべき。
なぜ、このようなことを知っておく必要があるのか疑問に持たれるかもしれない。しかし、土地勘がないところでの商売では、経営者の勘による判断が失敗する可能性があるから。
例えば、同じ代官山でも通りによってお客様の年齢層がバラバラ。
数年前に若者向けの店舗が多い通りに、少しでも差別化をしようと高級路線をコンセプトした店舗で黒をベースとした内装に、シャンデリアの照明、ブランドの椅子を設置など、客単価も高めのお店をオープンしましたが、ターゲットとコンセプトが合わずに店を閉じることになったケースがあった。
動線の流れを確認
駅、商業ビル、ショッピングセンターなど、人が集まる施設を「集客ポイント」という。
お店が単独であるよりも、「集客ポイント」に集まる人に立ち寄ってもらえる場所の方が有利なのはあたり前。
ここでのポイントは出入り口の位置との動線。メインの出入り口が反対側で、こちらの方向に客足が向かないこともある。特に大型施設の場合は、地下鉄とつながる地下の出入口などもありますので、きちんとチェックするべき。
また、駅からお店までの動線にどんな競合やどんなお店があるかも知っておこう。
物件を知る
美容サロンの多くは、SNSやWEB集客が基本。しかし知名度がない場合は、お店を目に見えるようにして立ち寄ってもらうことも大切。
お店は見えなければ存在しないのと同じで、見えて初めてお客様に認知してもらえる。
見やすい場所にあるお店の家賃は高いので、家賃の高い主要駅の次の2、3駅先で、視認性の良いお店を借りて開業しているケースもある。
どちらにせよ一般的に、歩いている時は視認性が低いといわれているので、人がワンクッションを置く場所、ちょっと立ち止まりそうな場所(例えば交差点など)から見えるかもチェックしよう。
一方で、完全予約制でマンション店舗で開業する方もいる。その場合、SNSやWEB、Googleマイビジネスなど、開業前からしっかり集客方法を考えよう。
開業する場所のチェックポイント
開業する場所のまとめとして、最低でもこれらのチェックは必須。
- どんな場所か?そこにいるお客様の質は?
- ターゲットはちゃんといますか?
- 競合の数や予約状況はどうか?
- 集客ポイントはあるか?
- 店は見えているか?見えていない場合はどうするか?
ご参考に。