サロン経営で、既存客と新規客のリピート率を上げることが事業を継続する上で大事。
しかし、我流で経営してきたサロンでは、リピート率の計算方法を間違っているケースがある。例えば、新規客が2回目来院された場合のリピート率を計測して、新規10名、その内8名が再来院してくれたとして、リピート率80%としているケースがあった。
こんな計測方法では、リピートしてくれないお客様がいても、なぜ通わないのかという課題が見えないし、その解決策を試して確認することもできない。
厳密に言えば、リピート率は、顧客が○○日以内にサロンに再び来店した比率。この○○日以内はサロンが提供するメニューによって違うし、施術方針によって変わってくるので注意。
もちろん新規顧客と既存顧客でそれぞれ分けてリピート率は考えないといけないし、その対策も異なる。
リピート率と新規集客との関係
リピート率と新規集客とは密接な関係がある。新規客が増えて、既存客のリピート率が落ちるといった傾向はよくある。だからリピート率と新規集客のバランスを注視することが重要。
理想の再来店率は、既存客のリピート率90%、新規客のリピート率50%、新規比率20%ぐらい。これを維持することができれば、右肩上がりの顧客数、売上を達成できるはず。簡単にシュミレーションしてみると(1ヶ月100人のお客様が来院すると仮定)。
来院人数 | 既存客90% | 新規客40% |
今月100人 | 80人 | 20人(新規比率20%) |
翌月100人 | 72人 | 8人+20人 |
仮にすべてのお客様の来店サイクルを30日として考えると、既存客のリピート率90%、新規客のリピート率40%、新規比率20%で100人の顧客数を毎月、確保することができる。
例えば、新規客のリピート比率が、40%に届かない場合は、既存客のリピート率や新規比率を上げることが必要となる。このように新規客と既存客のデータを分けて考えてみて、自社の課題がどこにあるのかをみること。効率よい有効な対策をするためには、現状を知ることが大切。
リピート率の計算
この方法は、簡単に継続と離脱客数で課題を把握できるのでオススメ。
毎月新規客10名としたある鍼灸院のサンプル例(客数で把握)
再来店日数 | 継続客数 | 離脱客数 | リピート率 |
新規客数 | 10名 | ||
7日(2回目) | 8名 | 2名 | 80% |
14日(3回目) | 8名 | 0名 | 80% |
21日(4回目) | 8名 | 0名 | 80% |
30日(5回目) | 5名 | 3名 | 50% |
60日(6回目) | 5名 | 0名 | 50% |
90日(7回目) | 5名 | 0名 | 50% |
7回目ぐらいまでのリピート率が80%を超えるようなサロンでないと事業は成長しない。個人サロンの場合は、5回目で50%切っているようであれば、かなり経営は苦しいと思う。
もちろん、どのくらいの日数で、どのくらいの治療回数を見込むのかは、サロンの方針によって変わる。
このサンプルだと、明らかに2回目と5回目に壁があり、なぜここで離脱するのかを考えて、それを乗り越えるために何をするべきかを考え、対策を繰り返しながら、どんな施策をすれば離脱しないのかを考えること。例えば施策Aをして数字が上がらなければ、それは正解ではないし、数字が上がるのであれば、それを強化していくことでリピート率が安定するようになるはず。
ご参考に。