サロン開業にあたって日本政策金融公庫からお金を借りるにも、事業計画書が必要で、そこに「コンセプト」や「ターゲット」、つまり誰に何を提供するのか?を書かないといけない。
でも、お店を出すことがゴールになってそうなクライアント。本来のゴールは、、、?
あたり前ですが、ゴールはお客様に喜んでもらうこと。
だから、「誰に」「何」を提供するのか。「コンセプト」と「ターゲット」を明確に、といわれている。
もちろん、これらがなければ、地域(立地)も決まらないし、物件も決まらない。どんなお店にしたいのかのイメージも分からない。
しかし、この「誰に」「何を」をしっかり考えると意外に難しい。
お店のコンセプトづくりの前にやること
何はともあれ事業計画書をつくる
例えば、ターゲットは「30代都心で働くOL」、コンセプトは「ホテルのようなラグジュアリー仕様のサロンで、本格的な熟練のマッサージ」を提供とする。
ここから何が想像できる?正直、当たり障りのないことばを並べているだけにしかなってない。
このようなことになってしまうのは、自分のイメージをしっかりと「ことば」に落とし込むことをしていないから。
特に現場あがりの経営者は、自分の思いを文章で伝えることをしないから、店舗が大きくなるにつれて「なんでわかってくれないの?」と連発するようになる。
だいたい、事業計画書をつくることを誰かに任せてるからこうなってしまう。
事業計画書は自分の考えを検証する意味でも、他人への説明資料としても、融資交渉の資料としても必要になる。
今の段階から、文章で人に伝えるということするべき。
ターゲットではなくコアターゲットをつくる
ターゲットは「30代都心で働くOL」、こんな雑なターゲットはない。
仮に同じ年代でも、見ているTVも違うし、読んでいる雑誌や本も違う。
つまり、属性だけだとそれはただのデータにしかなっていない。
よく使われるのはターゲットがどんなファッション雑誌などを読んでいるか。このやり方である程度は絞ることができる。
繁盛しているサロンは、雑誌に広告を打つときもこれをよく分かっている。
結局、ターゲットを考えることは、そのサロンに通う主人公のパーソナリティを考える作業。
それが「コアターゲット」となる。
その主人公のストーリーを考え、サロンに通う理由だけでなく、どんな街のどんな部屋に住んでいて、どんな家具を揃え、どんなランチを食べていて、服はどこで買うのかなどまで具体的に考える。
大切なのは、自分とは別のパーソナリティをつくって、客体化した“世界観”をつくること。よくあるのが、ターゲット=自分となっていて、自分の好みのものや自分の好きなお店で美容鍼やエステを受けるのを考えてしまう場合、それは単に好き嫌いの話になってしまう。
主人公の人物像をはっきりさせれば、このサロンを使ってくれる人がどんな顔で喜んでくれているかまで、かなり具体的な映像でイメージしているはず。
そのお客様に対して、お店が提供する価値(コンセプト)はマッチしているかが次の考えること。
ここまでの話は「ペルソナ設定」といわれるもので、今までのように「層」として捉え切れないその人の行動や性格、価値観等まで含んだ具体的なターゲット設定をするためのマーケティングの手法。
主なメリットは2つある。
- ①その人の状況、心境などを具体的にイメージすることができるので、その売り方や商品の開発に工夫ができる
- ②「30代OL」などの設定があったとしても、どうしても各個人の経験などによりターゲット像の認識にズレがある。全員の共通の知人のような感覚があれば、そのズレを防ぐことができる
②は、開業して迷ったときにその原点に立ち返ることができるし、事業をつくるためには人と共有するためのストーリーが必要になる。つまり、何をするにしても、チームでそのストーリーを共有できることが大切になる。
参考にペルソナを作るときに設定すべき項目を書いておく。
- 基本情報(年齢、性別、居住地など)
- 職業(大学・学部、業種・役職、最終学歴)
- 生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、外食派or自炊派、休日の過ごし方)
- 性格(価値観、物の考え方)、生活での実感(困っていること、興味があること)
- 人間関係(恋人・配偶者・子供の有無、家族構成)
- 収入、貯蓄性向
- 趣味や興味(インドア派orアウトドア派、友人間での流行等)
- インターネット利用状況・利用時間
- 所持しているデバイス
- 流行への感度
ご参考に。