クライアントが全く動きださないので、業界情報のチェックや知人からのヒアリングなどをしていくと思ったより顧客管理を徹底していない美容サロンが多い。
ひと昔は、「誰が」「いつ」「いくら」払ったのかを把握して、統計データをもとに経営していくのが当たり前だったが、どうも美容サロン業界は違うらしい!?
飲食業界は、顧客の名前やメールアドレスを取るだけでも大変なのに、美容サロンは、飲食などと違い施術前にカルテを記入してもらい、さらには術後にはアンケートも取れて、比較的簡単に顧客情報が取ることができるのに、なぜ?
「顧客管理」「お客様の声」は財産!?
そもそも顧客情報を使い方が分かってないので、まとめてみる。
「顧客管理」するのはなぜ?
まず、顧客情報を何に使うのかといえば、「本当に来てほしいお客様」を絞り込むため。
開業時は誰でも来てもらうように努力はあたり前だが、予約がいっぱいなってくると「客単価の安いお客様」に引っ張られてサービスが低下するし、土日にリピートしたいのに予約が取れなくなる。
すべてのお客様に対いて最高のサービスを行うべきだが、よりお店のことを大事に思ってくださるお客様に対して、より最高のサービスを提供しなければお店の発展はない。
もちろん単価が安くても、優しくて素敵なお客様もいる。しかし、小さなサロンにとっては、「来店頻度が少ないお客様」「一回当たりの単価の安いお客様」「わがままなお客様」はある程度切り捨てなければならない。
なぜなら、金銭的にも精神的にも、その余裕(経費、労力、集中力、想い)を「本当に来てほしいお客様」に有効に還元することができるから。
有名なのがパレートの法則。来店されるお客様の頻度と使用金額などを統計すると、上位2割のお客様だけでお店全体の8割の売上を担っている業界が多いらしい。
さらに重要なのが、「お客様の声」を聞くアンケート。
「お客様の声」はお店の財産
どのサービス業もホームページに「お客様の声」を紹介するのが一般的。やはりお客様に安心感を持ってもらうためにもとても必要。
どんなにホームページで良いことが書かれていても、所詮はお店側のことば。だからこそ「お客様の声」があれば、安心してサービスが受けることができる。
そして開業直後から沢山のアンケートを取ること。ポイントは、アンケートの質より量。お客様に安心してサービスを受けてもらうためにもどんどんホームページに掲載すること。
ただし、まずは「安心感」を得てもらうことが大切だが、「お客様の声」は財産ということがあんまり分かっていないので説明する。
自分たちの強みを知る
商売は、自分のお客様の悩みや欲求を知ることは非常に大切。それらを解決する方法を教えることで喜んで商品・サービスを買ってくれるから。
そのような意味で、提供する商品・サービスが、どういうプロセスを経て購入していてくれるのかを直接聞き取ることは、売れる秘訣を教えてもらうのと同じこと。
もし、お客様の悩みや欲求を理解していないということは、別の言い方をすれば、自社の強み、つまり何を伝えれば良いかが分かっていないはず。
だからこそ、お客様の購入プロセス、お客様の目線を知ることによって自分たちの強みが分かることになる。
アンケートをしっかり記入してもらうポイントは、紙をケチらないこと。高級紙を使用した方が隅々まで書いてもらえる。そう意味ではペンも重要。こういうひとつひとつがどのような美容サロンにしたいのかに関わっている。
儲からない理由を知る
お客様にとってどの情報が不足していて購入しなかったのかということは、なかなか知りようがない。
例えば、「価格が高い」「PR広告がよくない」など理由づけて、価格を落としたり、見た目の美しい広告にお金を掛けたりする。こうして判断ミスが増えて、そのうち経営困難になる。
だからこそ、普段からお客様の購入プロセスを把握しておけば、間違った方法にサービスを展開したり、無駄な広告をつくることはない。
つまり、自分がターゲットとすべきお客様が分かっていると、そのお客様に直接アプローチできので、販促活動がやりやすくなる。だからこそアンケートが重要。
強みが明確になるとは
アンケート結果が自分のお店の商品・サービスにフィードバックできていると、7,8割あった雑多な意見が、次第に減り、お店の強みに意見が集約されてくる。
こうなれば強みがビジネスで確立できている状態だと判断できる。
確立できてきたら、次の商品・サービスに展開するために深堀していくこと。ここを目指して何度もアンケートを取って、お店の方向性を明確にすること。
ご参考に。